【プチのガチャポンエッセイ】(68)

【ロケット花火】

少年時代には、よく《花火》で遊んだ。中でも男子の1番好きなのがロケット花火だった。

ロケット花火だけは昼間にやっていた。夜だと飛んで行く姿が見えないからだ。

5・6人で河原に行っては打ち上げて遊んだ。そんなに高価なものでもなかったので、子供の小遣い銭でもそれなりの量を買うことが出来た。

石と石の隙間にロケット花火の竹ひごの尻を差し込んで導火線にマッチで火を点け、2・3歩下がる。

「ジジジジ・・・」

「シュシュシュシュ」

「シュバッ❗️シューーーーーッ」

ロケット花火は白い煙を吹き出しながら空に向かって飛んでいく。そしてほぼ最高点に達したあたりで「パ~ン❗️」と破裂するのだ。

ところが地面への差し込みかたが強すぎるとロケットは飛んでいくことができずに、無駄な噴射の後、その場で破裂した。

また、中には不良品もあって、噴射と同時に飛ぶことなく「パ~ン❗️」と目の前で破裂するものがあったので気が抜けなかった。

さて、暫くは打ち上げて遊んでいるのだが、当然それだけでは物足りなくなってくるのだ。普通の打ち上げには飽きてくる。

「おい!打ち上げるだけじゃぁつまらんなぁ」

友達の一人がそう言う。

「戦争ゴッコせんか~?」

「戦争ゴッコ?」

「そうじゃ戦争ゴッコじゃ。向う岸とこっちに分かれてロケット花火を打ち合うんじゃ!」

皆んな大賛成した。

2組に分かれて、ジャンケンで負けた方の組が自転車に乗って川上の橋を渡り、向う岸まで行く。

そうして川を挟んでのロケット戦争が始まった。

・・・・・・・

川向こうの敵に当たるように打つには発射角度が重要だった。高過ぎると敵の頭を越してしまうし、低すぎると川に落ちて水中で破裂するのだ。川面に突っ込んだロケット花火は一瞬の沈黙ののちに破裂する。

「ボッ❗️」っといって水柱があがったあとにバシャバシャッと水柱が崩れていく瞬間は本物の戦争みたいでカッコ良かった。

次々に飛んで来るロケット花火と闘いながら、横一列に並べた花火の導火線に焦りながら火を点けていく。

「シュッシュッシュッ!」と連続して飛んでいくのだが、それと同じように向う岸からも飛んで来る。

顔を目掛けて飛んで来るロケット花火には特に注意が必要なのだが、とうとう避け切れずに耳元で破裂することもあった。これにはまいった。

この戦争に勝敗は無い。ロケット花火が無くなったら終了だ。それにしても相当にスカッ!とする遊びであった。

・・・・・・・・

そういえば、ヨーロッパのどこかの国では、大人が大真面目にやる物凄い規模のロケット花火のお祭りがあるらしい。

ロケット戦争は今やっても充分に楽しめそうだが、ボール遊びでさえ禁止しているような河川敷が多いので、花火の打ち合いなんてもう無理な話なのかもしれない。