2025-09-01から1ヶ月間の記事一覧

【プチのガチャポンエッセイ】(81)

【兄嫁④】(写真) 葬儀の朝、兄嫁のお兄さんと父とが話をしていた。 「お義父さん、こんなことになって申し訳ありません。アイツ、短い人生でしたが、妊娠したんだから、一瞬でも女の幸せを味わったんですから喜んでやろうと思うんです・・・ただいちばん気…

【プチのガチャポンエッセイ】(80)

【兄嫁③】(帰宅) 兄嫁の通夜は自宅で行われた。 連絡を受けた親族親戚が集まって、憔悴し切った兄に慰めにもならない言葉を掛けては酒を飲んでいたのだが、弟だけがまだ帰って来ていなかった。 「おい、あと帰って来てないのはアイツだけか?」 父もそう言…

【プチのガチャポンエッセイ】(79)

【兄嫁➁】(ブーケ) 兄の結婚式当日は朝から賑々しかった。来賓をはじめ友人達や親族も、食前酒などを飲みながら和やかに歓談している。 親族紹介のあとに続いて厳かな結婚式が執り行われ、やがて披露宴が始まった。 白無垢からウェディングドレスにお色直…

【プチのガチャポンエッセイ】(78)

【兄嫁①】(予兆) 兄とフィアンセは楽しい婚約期間を過ごしていたが、ある日レンタカーを借りて二人はドライブに出掛けた。休憩場所ではクルマを背景にして仲良くツーショットの写真を撮ったりして楽しんだようである。 さて後日、兄は焼き上がった写真を家…

【プチのガチャポンエッセイ】(77)

【ゴムのオモチャ】 イラストを見て頂ければ分かると思うのだが、タイトルだけから内容を想像された方には謝らなければならない。残念ながらこれはエロい話ではない。 ・・・・・・・ 僕が中学生の時である。ゲテモノ好きは時代を問わずに存在するものだ。 …

【プチのガチャポンエッセイ】(76)

【カルーセル麻紀氏の想い出】 私がホテルに勤務していた時の話です。 その日はカルーセル麻紀のディナーショーでした。 ステージでは彼女のショーが繰り広げられています。大きな胸を左右にブルブルと振るわせるネタに観客は大いに 盛り上がっていたもので…

【プチのガチャポンエッセイ】(75)

【五円切手】 私が中学生のころは、おばあちゃんが店番をしている煙草屋がまだあった。そして、煙草屋では葉書や切手も扱っていたものだ。 ある日、私は父親のお使いで「わかば」を買いに煙草屋に来ていた。そこへ、人の良さそうな作業服のおじさんがやって…

【プチのガチャポンエッセイ】(74)

【傷めた腰】 後頭部がストンと真っ直ぐだったため、彼は小学校の時から「絶壁頭のゼツゴロウ」と呼ばれていたが、当時はさらに酷い渾名であっても許される空気があって、みんな好き勝手な渾名を付け合っていたものである。ゼツゴロウもニコニコとその渾名を…

【プチのガチャポンエッセイ】(73)

【戒律とビール】 随分むかしのことになるのだが、日本で〈アジア大会〉というスポーツの祭典が開催されたことがある。僕はその時、各国の選手団に食事を提供するという仕事をしたことがあった。市内の何ヶ所かに選手村が設けてあって、その中の1つの施設で…

【プチのガチャポンエッセイ】(72)

【Uコン機】 中学の時《Uコン機》を作った。ラジコン機を飛ばしたかったのだが、高価なので中学生には手が届かない。 《Uコン機》というのは、機体を細い2本のワイヤーで繋いで、円を描くように飛行させるというものだ。 紐の先に重りを付けてブルンブルン…

【プチのガチャポンエッセイ】(71)

【粘土細工】 僕は小さい頃から少し変わった子供だったので、皆んなが外で〈鬼ごっこ〉や〈かくれんぼ〉をして遊んでいるのに、1人家で粘土細工をしていることがままあった。 自分で言うのもなんだが、粘土細工の腕前はかなりのもので、ネズミを作って隅に置…

【プチのガチャポンエッセイ】(特別番外編)

【のあ君とエロ動画】 お産の為に里帰りしている娘が、出産前に髪を短かくカットする為に、家内と一緒に美容院に出掛けて行った。 娘が行き付けの美容院は実家から数十キロは離れているところにあったので、朝早くから家を出た。多分、夕方まで帰ってこない…

【プチのガチャポンエッセイ】(70)

【本屋の奥さん】 駒込に住んでいた頃、近くにあった行きつけの本屋の奥さんと懇意になった。歳は今風に言うとアラフォー後半といったところだ。小さな本屋さんで奥さん1人が切り盛りしていた。奥さんには息子さんと2人の娘さんがいるのだが御主人はいない…

【プチのガチャポンエッセイ】(69)

【冬の日のランチ】 当時、カップヌードルは発売されて間もない頃だったので、まだ珍しくてちょっとした特別感があったものだ。 その日は大変に寒くて、店の窓から見える外の景色は雪で真っ白だった。 ガラッ!と引き戸を開けて馴染み客のおじさんが入ってき…

【プチのガチャポンエッセイ】(68)

【ロケット花火】 少年時代には、よく《花火》で遊んだ。中でも男子の1番好きなのがロケット花火だった。 ロケット花火だけは昼間にやっていた。夜だと飛んで行く姿が見えないからだ。 5・6人で河原に行っては打ち上げて遊んだ。そんなに高価なものでもな…

【プチのガチャポンエッセイ】(67)

【とばっちり】 高速道路のSAでトイレ休憩をしたのだが、男子小用トイレは先客でいっぱいになっていて、1ヶ所だけしか空いていなかった。 まさか、男子小用トイレで隣の人から覗かれたりするわけではないのだが、出来るだけ左右に人がいない便器を使いたい…

【プチのガチャポンエッセイ】(66)

【名案】 小学校の同じクラスに釣りが大好きな友達がいた。子供のくせに釣りに関する技量と経験はたいしたもので、よく大物を釣った自慢話をしていたものだ。 ある日、近くの川でそれはデッカイ鯉が釣れたという噂が立ち、釣り人魂を刺激されたその友達は僕…

【プチのガチャポンエッセイ】(65)

【少年の心】 少年達は小動物を捕まえては悪戯をした。 特別に〈可愛がられた〉のがカエルである。 カブト虫やクワガタ虫は本当に可愛がられたのだが、ことカエルに関しては、可愛がられ方の意味が全く違っていた。 ・・・・・・・ それは、こんな按配であっ…

【プチのガチャポンエッセイ】(64)

【縄暖簾の居酒屋】 若い頃によく呑みに通った居酒屋は〈モツの煮込〉が名物の店だった。 東京北区滝野川のアパートの前の細い路地を出たところにその店はあった。入口には縄暖簾が垂れ下がっているので、文字通りの、いわゆる「縄暖簾」である。 店は中年の…

【プチのガチャポンエッセイ】(63)

【酔っ払い】 若い頃はよく酒を呑んだものである。 その夜もヘベレケになってタクシーに乗ったのだが、途中で気持ちが悪くなってきた。 吐きそうだ。 「運転手さん!どっか空き地があったら停めて下さい!」 「どうしました?」 「・・吐きそうなんです、す…

【プチのガチャポンエッセイ】(62)

【戦争ゴッコ】 小学校の裏手には小高い山があって、そこはちょっとした公園になっていた。 春になると沢山の桜が咲いて花見客で賑わい、夏になるとカブトムシやクワガタムシが獲れた。秋には木々が紅葉し、冬になって雪が積もるとミニスキー場にもなったの…

【プチのガチャポンエッセイ】(61)

【プジョーな女】 友達がクルマを買ったというので、彼女はそれを見せてもらった。「プジョー205」というフランスのクルマだった。 なんだか日本車とは違ったデザインや雰囲気に、彼女はすっかり心を奪われてしまった。 「これカッコいいわねぇ!外車でしょ…

【プチのガチャポンエッセイ】(60)

【カブ】 小学生の時である。 日曜日に友達数人で中学校のグラウンドに遊びに行った。グラウンドでは高校生のお兄ちゃん達3人がカブ(HONDA―スーパーカブ号)に乗って遊んでいた。 当時は自家用車の普及もまだまだで、バイクでも珍しいような時代だった。 …

【プチのガチャポンエッセイ】(59)

【屋台のラーメン屋】 当時、夜になると駒込の駅前にラーメンの屋台が出ていたのだが、駅前に出た時にはちょくちょくそこのラーメンを食べていた。さっぱりした味の醤油ラーメンだった。今でもラーメン好きの私だが、その頃には若さに任せてよくラーメンを食…

【プチのガチャポンエッセイ】(58)

【フルートの恩】 若い時は大体が貧乏である。私も例外ではない。 では、今はどうなんだと問われれば、無論、今もそうである。 ・・・・・・・・ その当時、私は東京北区滝野川の安アパートに住んでいた。 アルバイトで稼いではいたのだが、給料日前にもなる…

【プチのガチャポンエッセイ】(57)

【副支配人の粗相】 その御夫妻が大きなホテルで媒酌人を務めるのは初めてのようだった。 ・・・・・・・・ 新郎新婦と媒酌人御夫妻の入場が終わって、200人を越える規模の披露宴会場の、ひときわ高い位置にある高砂の席に4人は着席した。 媒酌人の挨拶が終…

【プチのガチャポンエッセイ】(56)

【アジフライ】 少年時代、川では魚がよく釣れた。鯉、ハヤ、うなぎ、ウグイなどなんでも釣れた。 ウグイにいたっては、パン屑で30cm以上のものが馬鹿みたいに釣れたので、地元の人間はウンザリしていて、まず食べることはなかった。 ある日の晩御飯のオカズ…

【プチのガチャポンエッセイ】(55)

【社長の馬】 ホテルに勤めている彼は競馬好きだった。 ある日、常連客である東京の大きな会社の社長がそのホテルに宿泊した。その社長も競馬好きでホテルマンの彼とは懇意にしている。 ・・・・・・・ 「〇〇くん、オレの馬がG1レースに出るんだけどさぁ、…

【プチのガチャポンエッセイ】(54)

【ジャングル風呂】 これは、既にnoteにupしている【おんな友達の助言】というエッセイを、長男のお嫁さんが読んでくれた時に、彼女が思い出した話である。 「その話、noteに書いてもいいかな?」と訊いたら「いいですよ」との承諾を得たので書くことにする…

【プチのガチャポンエッセイ】(53)

【理科の解剖授業】 僕が中学の時の理科の授業では「カエルの解剖」をやっていた。 1週間後にカエルの解剖の授業をやるという。適当なカエルを捕まえてこなければならなくなった。 仲良しの友達と相談した結果、2人でカエルを獲りに行くことになった。 「…